2007 MLBインターンシップ 感想
2007/04/11 水野 慎一郎

◆ 荒くなる鼻息

このたび、私はアメリカ・メジャーリーグのテキサス・レンジャーズに インターンとして2週間参加させていただきました。 大好きな野球の最高峰に接することができるということで、 渡米前は期待と不安感と入り混じりかなり興奮していました。 そのため、普段から鼻息の荒いことで有名な私ですが、 いつも以上に「フガフガ」と勢いよくなっていたのではないでしょうか。 適度な緊張感を感じながら成田を出発し、サンフランシスコを経由してフェニックス空港に到着しました。 あたりまえですが、周囲は彫りの深い外人だらけ(そこでは私が外人ですが・・・)、 徐々に気分も高揚してくるようでした。 顔のインパクトでは自信のある私ではありましたが、さすがに彼らのかっこよさには負けますね(笑)。

◆ ファンタジスタMIZUNO

いよいよ スプリングキャンプ地のアリゾナ州サプライズ市に到着です。 私はルームメートのHさんとともにレンジャーズのクラブハウスを訪れ、 ヘッドトレーナーと初の対面をしました。 英会話がままならない私でしたが、なんとかあいさつと自己紹介をして研修初日がスタートしました。 最初の自己紹介で日本ではマッサージ、ストレッチやっていたと伝えたこともあって、 いきなりメジャーリーガー相手にマッサージをさせてもらいました。 最初なので緊張がなかったといえば嘘になります。 しかし思いきって弊社の先輩に教えていただいたことを思い出しながら、わずか10分ほどでしたが無心で行いました。 そして、ヘッドトレーナーが選手にマッサージの感想を尋ねると「Fantastic〜」という言葉が飛び出しました。 いま思えば、この一言があったからメジャーリーグの名だたる選手の体に触れる機会を多く得たのではないでしょうか。 2週間を通じて多くの選手にマッサージを求められました。 この初日の夜は、「オレって『Fantastic〜』」と気分の良い夜を過ごしました。 同時に勘違いしないように気を引き締めていかねばと自分自身に言い聞かせました。

◆ 「欧米か!」

幸運なことに、テキサス・レンジャーズのヘッドトレーナーは アシスタントトレーナーのやることをあまり規制せず、 興味を持っていることは積極的にトライさせる方針でした。 私はコンディショニングに興味があったのでヘッドトレーナーに相談して コンディショニングルームを見学させていただきました。 そこでコンディショニングコーチと話をしたり、 一緒にトレーニングをしたりしてメジャーリーグのコンディショニングを体験することができました。 体力には自信のある私ですが、やはりメジャーの選手はすごいと感じました。 そしてマイナーリーグの選手20名ほどを相手に15分程のウォーミングアップを担当することもできました。 これはほんとうに良い経験になりました。

私が研修をしていた期間はちょうどオープン戦が始まったばかりだったこともあり、 運良くベンチのなかで選手といっしょに試合を見ることができました。 メジャーリーグの試合をテレビで見たり観戦したりしたことのある方はご存知かと思いますが、 プレーボールの前にはボールパークでアメリカ国家が流れます。これはどこでも同じです。 不思議なもので、演奏が始まると右手に持った帽子を胸の前に当てて目を閉じてしまうものなのですねぇ。 しみじみと・・・。「欧米か!」って突っ込まれそうですね。

それから、メジャーリーグの試合で印象に残ったことといえば“ひまわりの種”でしょうか。 メジャーリーグの試合ではベンチにいる選手たちはひまわりの種をよく食べています。 これがじつはなかなか難しくて私は上手に殻を捨てられませんでした。 そのやり方をトレーナーに教えてもらったのですが、結局極められずに研修が終わってしまいました。 「これが出来たら、キスがうまくなるぜ」とキザにいってくる選手もいたので真剣に取り組んだのですが・・・ 「残念っ!」。現在も自主練習中です。

あとは“英語“に関してですが、私が英語を流暢に話せないものだから選手たちが試合中によく英語を教えてくれました。 でもその教えてくれた英語というのが、勘のよい方はお気づきでしょうが、放送禁止用語ばかりでした。 でも、よくよく聞いてみるとみんな最初はそういうところから覚え始めるみたいですね。 たしかにそういう言葉は印象に残りやすいから早く覚えられます。 バッチリ、マスターしてきたので習得したい人はこっそりと私に「ちょっと、ちょっと、ちょっと」って声をかけてください。 これが合言葉です!

◆ オレの食欲メジャー級

皆さんアメリカの食事にどのようなイメージをお持ちでしょうか? 「味付けが大雑把」「油が過多」「量が多い」「甘いものは極端に甘い」といったところでしょうか。 その通りでした。 ただ日本食レストランや韓国風焼肉などもあったので、Japanese Food Sickになることはありませんでした。 また食事といえば、忘れられない思い出があります。 研修最終日に私と仲のよくなったクラブハウスのスタッフが早食い競争を企画してくれたのです。 メキシカンフード(タコス)の早食いだったのですが、私は食べる量には自信があったので絶対に勝てると思っていました。 「ここでオレは伝説を作って、川島社長に胸を張って、がんばってきましたと報告するぞ」 と変なところで意気込んでしまいました。 ところが、早食いと大食いはまったく別物だということを早食い競争が始まった直後に痛感しました。 とにかく味わう暇もなく詰め込むのです。これほど食べることが辛いと感じたのは生涯でも初めてでした。 結局、対戦相手は私より5個も多く食べていました。しかし、神は私を裏切りませんでした。 対戦相手は最後の1個を食べきる瞬間に詰め込みすぎて吐いてしまい、失格してしまったのです。 「Oh! My god」。私の勝利ということで決着がつきました。でも本当に辛かったです。 このとき私は決心しました。いつか早食いでメジャー挑戦すると(笑)。

◆ 厳しい環境

研修期間を通じてメジャーリーグの選手のさまざまな側面を垣間見ることができました。 支配下登録されている選手は試合中であっても5回が終了した時点でクラブハウスに戻って自由行動になります。 ところが、メジャーかマイナーかのボーダーライン上にいる選手は主力が退いた5回以降が勝負になります。 そこでプレーする選手というのはやはり表情も厳しく、 結果を残せずベンチに戻ってくるとなかなか声をかけられるような雰囲気ではありません。 当然、アメリカですから解雇やトレードなどは日常茶飯事です。 昨日しゃべった選手が次の日にクラブハウスに来てみるとロッカーの荷物がなくなっているということもありました。 華やかな表舞台の裏ではで厳しい現実と必死に戦っている選手がいるということを肌で感じることができました。 私もタコスでメジャー挑戦だなんてバカなことをいっている場合ではないと感じさせられました。

◆ 謝辞

私はこの研修でこれまでにない体験することができました。 このような機会をいただいたことは私にとっての大きな励みになりました。 私は以前から将来アメリカで仕事がしたいという希望を持っていましたが、 今回の研修によりますますその気持ちは強まりました。

研修においては多くの方々にサポートをいただきました。 なかでも、キネシオテーピング協会の間宮さんには、 われわれインターン生が現地で過ごしやすい環境を作るための開始前からの準備、 宿泊先や搭乗券の手配、そして現地でのレンタカーでの移動など、多方面にわたりお世話になりました。 この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

最後になりましたが、今回のインターンシッププログラムへの参加をバックアップしてくださった JBATSの会長であり弊社の代表取締役でもある川島英夫社長を始めとし、当社スタッフの方々、 現地での私のインターン活動を支援してくださった各チームのトレーナーの方々、 そして現地で共に行動し私を助けてくれた仲間に心よりお礼を申し上げたいと思います。